小学生の国語の授業

ゆい研では小学生に対して国語の授業をしています。

 

中学生に指導している中で、すべての学習の基本は国語だということを

切に感じ、小学生のうちから国語力だけは身につけさせたいと思ったからです。

 

これまで、語彙力を増やし、読解問題を解いてきました。

そして先週から作文を書くことに入りました。

第1回の課題は「私の趣味」です。

 

子どもたちに作文用紙を渡して「はい、書いて」と言っても書けるわけがありません。

ですので、先週はマインドマップ上に

1.どこで、どのくらいの頻度で行っているのか

2.何がきっかけで、いつ始めたのか

3.楽しいところ

4.難しいところと、それを克服するために工夫していること

書いていきました。

 

子どもたちの書いたものを見てみると、

「なぜ、それが楽しいの?」と思うことが多いです。

例えば、趣味が野球でキャッチャーの子は

「楽しい所は、ボールを取った時の音をどう鳴らすのかを考えること」と

書きました。 

 

私には、全く意味がわかりません。

それを彼にそのまま伝えます。

 

「私はキャッチャー経験どころか、野球経験さえもないから、

君の書いていることがわかりません。だから教えてほしいのだけど、

キャッチャーは音を鳴らす必要があるの? どんな音が良いの?

野球が分からない人にも伝わるように書くんだよ。」

 

と話して、マインドマップに書き込むように指示しました。

(そこで、その日の授業は終了でした。)

また「趣味は習字」の生徒さんは、

「上手に書けなくても、上手に書けるまで書くことが楽しい」

と書きました。

 

その生徒さんには、こう聞きます。

「上手に書けないものを書き続けることは苦痛ではないですか?」

「上手に書けないと、諦めたくなるのが普通ではないですか?」

 

するとその子から出てきた返答は、

「書き続けると、下手だった字がどんどん上手に書けてくるのが嬉しい」

と言ったので、「それなら分かる。」と私も答えました。

 

子どもたちは自分の世界で生きています。

それはとても重要なことです。

しかし、人とコミュニケーションするときには、

自分が知っていることを相手は知らないかもしれないこと、

自分とは違う感じ方をしていることを想定して

話したり、書いたり、耳を傾けたりする必要があります。

 

つまり「自分と感覚の違う人にも伝わるように」

   「自分と違う人が、何を考えているか分かるように」です。

 

それが、国語力の中身だと考えます。

 

話が少し飛ぶかもしれませんが、私がわが子に国語力を身に着けるために

気を付けていることは、子どもの話す内容が適切でない時には、

「わかったつもりにならない」ことです。

 

わが子の考えていること、感じていることはだいたい分かります。

それでも、彼が話す内容(友達とのやりとりなど)が鮮明に

伝わってこない時は聞き返したり、整理したりします。

 

子どもが「おやつ」と言ったら、

「おやつが何? いるの? いらないの?」と聞いたりします。

 

詰問したり、ダメだし(批評)すると子どもは話さなくますので、

その辺は気を付けた方がいいかなと思います。

私は「で、どうなったの?」と興味津々な装いをします(笑

 

生徒さんには、

 自分の世界を大切に、

 他者の世界を理解し、

 コミュニケーショができる人になってほしいと思います。

1回目の作文。これから数回にかけて推敲していきます。