数学は克服できるのか?

 

3月~4月始めにかけて中3クラスに6人の入塾生が加わりました。

そのうちのほとんどは数学に苦手意識のある生徒でした。実際に計算も遅く、一度の説明で理解することは難しいようでした。

 

 

 

中学3年の数学は、最初は多項式の計算からスタートします。中学2年の復習のような計算ですので、中2の計算ができれば問題はありません。

 

しかし、その次に「展開の公式」や「因数分解」に入っていきます。そこで多くの生徒さんが混乱します。

 

 

 

「この勉強に意味があるのか」

 

「素数とか、因数とか、素因数とかって、わけがわからん」

 

と思うようです。しかしゆい研に通ってくれる生徒さんは、心でそう思っても、口に表すことはしません(勉強する雰囲気を守ろうとしてくれるのです)

しかし生徒は全く手ごたえを感じていませんし、表情も晴れません。生徒たちのフラストレーションがたまる中で、数学克服のための以下のような手立てを取りました。

 

 

1. 「自習の時間」の多くを、数学の問題を解くことに費やしてもらう。

 

2.小学校の算数の診断テストを行い、つまずいているポイントを克服させる。

 

3.繰り返し練習することの重要性を何度も話す。

 

 

 

以上のことをした結果、問題を解く時に手が止まり考える時間の多かった生徒さんが、5月初旬には問題を見て手が止まらず動き続けるようになりました。

手が動くということは計算のやり方を体が覚えたということです。

また、自分で解答し、間違いを直し、分からない問題だけ質問するという勉強のやり方が身についてきました。

 

 

 

上記の手立て1~3を説明していきます。

まずは1から。

 

1.「自習の時間」の多くを、数学の問題を解くことに費やしてもらう

 

 

 ゆい研では中3クラスは週に1度、自習の日があります。

苦手教科の克服に充てるか、検定対策をします。沖縄高専の学生がチューターとして質問に答えます。

 

生徒達を見ていると、苦手な数学はやはり気持ちが向かないらしく、好きな教科を進んで勉強します。

ですので、私の方で数学の課題プリントと解答を用意します。

それができたらあとは好きな勉強です。

 

 

中2、中3からは学習内容が特に難しくなるため、練習の時間がどうしても必要です。

しかし生徒さんたちは圧倒的に練習時間が足りていません。

 

ですので自習の時間を設け、スラスラ解ける状態にまでもっていくのです。

しかし、教えてくれる人がいないと諦めてしまうので、指導するチューターをおいています。

 

 

 

しつこいくらいに解いていくと、解けるようになります。

 

 

「勉強が苦手」な生徒さんは、練習量が足りていない場合がとても多いです

決して、頭が悪いわけではありません。

 

 

 

次に、2の説明をします。

 

2.小学校の算数の診断テストを行い、つまずいているポイントを克服させる。

 

 

基礎ができていないと、中2、中3の学習はすんなりできません。

上位の子を除いた全員に小学校算数の診断テストを実施し、どの分野でつまずいているのかチェックしました。

その後に面談して、苦手な分野の確認と克服方法を話しました。

くの生徒がつまずくのは「割合」や「整数、少数、分数が混じった数の大小」、「四捨五入」でした。

 

 

 

生徒それぞれ苦手な箇所は異なります。

よって、その子の苦手ポイントだけを集めた冊子を生徒毎に作成し、期日までに解き終わらせ提出させます。解答も渡して自分で解きます。

 

 

 

4月はこのように小学校からの復習と教科書を並行して進めていくのです。しかし、これが可能なのは4月だからこそ。学校は各教科のオリエンテーションや健康診断等であまり授業が進まないからできるのです。

 

 

 

このように苦手ポイントをつぶしていくと、「できなかったことができるようになった」と生徒たちの自信にもつながります。

 

 

 

次に3について。

3.繰り返し練習することの重要性を何度も話す。

 

 

さっきも書いたように、子どもたちは圧倒的に練習量が足りません。

でも、ただ「解きまくれ」というと、必要性を感じていない子は、押し付けられているように感じます。

 

ですので、部活におきかえて話します。

 

 

「バスケ部の子が試合でなかなかフリースローが決まらないと落ち込んでいた

。どのくらい練習したか聞いたら、2回シュート練習したと答えた。ちゃんちゃらおかしくない? 2回の練習で本番にできるなんてこと、ないよね。 

何度も何度も同じことを練習するよね。実は勉強も同じ。

何度も繰り返してやっとできるようになる。」

 

という類の話を、手を変え品を変えしていきます。

 

 

 

また、「1回でできる必要はない、1回で理解する必要はない」と付け加えます。

他のことでも言えますが、後になって点と線がつながるということが多いですし、勉強へのハードルを下げる必要があるからです。

 

 

 

このようなことを繰り返した4月が終わり、5月の初旬は子どもたちも因数分解に慣れてきました。

掛けて8、足してー6の数字の組み合わせもスムーズに出てくるようになりました。

 

 

 

難しい数学の授業にも、きちんとついてきてくれた生徒達。心から応援しています。

 

 

数学、英語を日頃からしっかりやっていると、テスト前には社会や理科などに時間を割くことができます。

5月中旬の中間テストでは全員が自己ベストの席次がとれ、自信がつくといいなと思いながら、

今日も指導します。