定期テストの廃止について。

来年度(令和3年度)から名護中学校では定期テストを廃止すると保護者や生徒さんから連絡がありました。

 

私は直接学校の説明を聞いたわけでもなければ、廃止のいきさつなども知りません。何か間違っていたら教えてください。塾でお預かりしている生徒さんのため、「どうなるの?」と不安に思う保護者さん向けに早めに対策を打たないといけないので、今の現状で考えていることをお知らせしておこうと思います。

 

定期テストが廃止されると言ってもテストがなくなるわけではなく、単元が終了したら単元テストを行うということだそうです。ですので、中間テストに5教科すべてのテストをするわけではなく、小学校みたいに単元が終わるごとに、教科毎にテストを行うイメージだと思います。

 

危惧していることは、

①テストの予告は授業中に生徒にのみ行われるので、保護者はいつテストがあるのか把握できない。

勉強やテストの話をしないご家庭ではテストがあったことも分からず、

自分の子どもの成績は学期末に行われる三者面談で知ることになる。

 

②5教科総合の席次は出ない。学年での自分の位置は知らない。「自分の位置なんて人との比較における相対的なものだから、知る必要なんてない。過去の自分よりどれだけ成長したかが大切」という考えがあってもおかしくはないのですが、そうは言っても入試は他の受験生との点数の勝負です。

 

自分の位置を知っていると、志望校と自分の実力が把握しやすくなります。私が以前名護中学に勤めていた時、「名護中で90番くらいまでは名護高校に入れる」と先輩教員から教えてもらいました。席次が出ないということは、塾が実施している模試が志望校判定の唯一の判断材料となり、塾に行っていない子はどう判断するのだろう?と心配はあります。

 

③単元テストは定期テストと比べ範囲はせまい。入試や就職のための試験に近いのは定期テストです。複数の教科の広い範囲を、優先順位をつけて勉強する、追い込まれた精神状態を何とか保つというのは高校入試に向けて良い訓練になるのですが、その訓練の機会がなくなります。

 

では次に単元テストの良いところ。

①定期テストの試験範囲は「テストの1週間前くらいまでに習ったところ」なので1つの単元の途中で切られたりします。 単元テストだとその単元まるごとが試験範囲なので、基本で習ったことがどう応用できるかという学問の大切なところを、テスト勉強することで生徒が分かってくる、「そうつながるわけね」と納得できる。というメリットもあります。

 

②テストが増えることによって普段から勉強するようになる。

  定期テストだとその1~2週間前から頑張ればいいけど、単元テストがいろいろな教科で行われると、毎週テストがあるようなときもあり、勉強する習慣がつく。テスト前の一夜漬けがなくなることもあるでしょう。まぁ、テストまで日があっても一夜漬けする子はします。大人もそうですよね。

 

また、他の定期テストを廃止した学校で取り入れているように、1回目のテストで間違ったところを再度勉強し直して再テストを受けることができる、という仕組みとなることも考えられます。そうすることで、分からなかったことを再度勉強することになり、理解は深まります。しかしそうなると「先生、ここが分からないから教えて」という生徒の声に教師はきちんと対応しなければならなくなっていきます。まぁ本来の仕事といえばそうですが。

 

これまでの「一発勝負」という考えは薄れてきますね。再テストに挑戦すること、出来なかったことを出来るように努力する姿勢を身に着けること、それが名護中学校のねらいだと思います。新しいことをするのは勇気がいりますし、やってみないと分かりません。名護中学校の新しい取り組みを応援します。

 

塾と学校は目的が違います。中学校の目的は高校合格ではありません。

高校には定員があり、その定員を選抜するのが入試であり、その入試を見据えて指導に当たるのが塾です。塾は塾で本来の目標を達成できるように頑張るのみです。

 

私が名護中の保護者だったらこうすると思います。

 

「次のテストはいつ?」と普段から聞く。女の子はしっかりしているので自分でメモしてくるでしょう。男の子は少しボーっとしていると思うので、声掛けして自覚を促していくことは必要かと思われます。また、筆箱に入る小さなメモ帳(付箋紙もOK)を持たして、「テストの日や持ち物をメモしてね」と言っておく。一週間に2つテストがあるようなら、計画っぽいものを一緒に考える。「このへんを〇〇までやっておかないとねー」みたいな感じで。初めての試みなので一緒に楽しんでみる、くらいの気持ちでいると思います。