勉強の成果が出る、出ないの違い

 

 塾に通いだしてすぐに成績が上がる子、少しずつ少しずつ上がる子、残念ながら変化のない子がいます。ありがたいことに、下降する子はまだ当塾ではお目にかかっていません。 

 その違いは何だと思いますか?

 私はずっと考えてきました。生徒たちへもヒヤリングしたり、行動を観察して、その正体は日々確信するばかりです。

 

 それは、ずっと言われていること、使い古されていること。

 成績を左右するもの、それは読書です。

 

 入塾当初は成績が悪くても、小さいときに本を読んでいた、図鑑を読んでいた、という子は勉強の伸び悩みがありません(ただし中学までです)。学校や塾の勉強だけ理解できる子は、だいたい読書経験が過去にあったか、現在あります。

 ある成績の良い生徒は、小学校低学年のときに毎週親に名護市立図書館に連れていかれ本を借りて読んでいたといいます。またある子は、いつも鞄に本をしのばせ授業の開始まで読んでいます。授業中も読んでしまい怒られたりします。

 

読書はあらゆる教科の基礎です。

 数学でも「二等辺三角形」の漢字の意味を理解せずに、二等辺三角形の学習をしている子がいます。そのような子たちは、2つの辺の長さが等しい三角形という理解はしていません。

 日本語の文章を読みなれていない子が、英語の文章を読むことができるわけがありません。 

 社会科は暗記するのが多いと思っている人は多いですが、教科書は字だらけであり、論理的思考を要求します。

 理科は気圧や摩擦、イオンなど目には見えない抽象的なものが、どういう原理のものか、どういう働きをするのかを理解する必要があります。 

 国語は、読書をしてきた子は現代文に関しては特に努力を要しません。スポーツの得意な子が、教えられたわけでもないのに体重移動のタイミングやボールの軌道が読めるように。

 

 もしお子さんの学力を上げたいとおもっているのでしたら、読書する習慣、文字を読む習慣をどうかつけてほしいです。小学校の高学年以上なら難しいかもしれません。読書以外の楽しみをたくさん見つけているでしょうし、それらの楽しみに比べ読書は苦痛でしょうから。でも、字を読む習慣がないと、その後、塾に行っても大きな成果が出ないかもしれません。

 

 小学校高学年から読書週間をつけようとするの遅いのでしょうか。 私の答えは決して遅いわけではないが、ご家族の努力を要するだろう、ということです。新聞を購読して大人が読んでいる姿を見せる、あるいは歴史漫画、偉人漫画からでもよいので全巻買うか図書館で借りてみる、お子さんと定期的に図書館に行く時間を作る、好きなアニメの漫画や本(例えばスラムダンクや、おしり探偵など)を買ってみる、興味のある分野の図鑑を買って家に置く、など。その時は「せっかく買ったのに読んでない」と𠮟るのは得策ではないかもしれません。将来塾に払うであろうお金を、お子さんが小さなときに本に出し惜しみせず使っていれば、塾に払わなくてもいいのかもしれません。

 

 

ただし、そんな親御さんの努力をお子さんがわかってくれるとも限りません。私はけっこう本を読みますが、わが子は積極的には読みません。逆におうちの方が本を読まなくてもお子さんは読むということもあります。子どもは思うように育たたないものです。でもそれに手をこまねいているのではなく、環境は整えておきたいものです。